「歯周炎が治る」とは、定義によって意味合いが変わってしまいます。歯周炎で失った骨や歯ぐきが完全に元の健康な状態と同じように再生されたような状態を「歯周炎が治った」とすると、これを確認する方法は組織切片を作って顕微鏡下で観察するしか方法はありませんので、残念ながらほとんどの場合は治ったかどうかわからないと言うことになります。
歯周病は治りますか?
どのぐらいかかりますか?
さらに、部分的に治った状態は推測できますが、完全に治った状態を作ることは非常に難しいと言えます。もう1つの定義として歯周炎による炎症がなくなり継続的に歯ぐきの状態が安定している状態を「歯周炎が治った」とすると、これは現実的に多くの場合達成することができます。
つまり、この定義では「歯周炎を治す」ことはできます。これには、患者さんご自身のセルフケアと歯科医院での専門ケアの両方が必要不可欠です。
なぜなら歯周炎は一旦なってしまうと病気が進行しないように一生付き合って行かないといけない病気なので、その後常に再発しないように歯ぐきの状態が安定しているかどうかを歯科医院でチェックする必要があります。また、歯周炎になりやすい人はさらなる注意が必要です。
歯周病を治すのに
どうすればいいか
歯周炎を治すには、患者さんご自身のセルフケアと歯科医院での専門ケアの両方が必要不可欠です。なぜなら歯周炎は一旦なってしまうと病気が進行しないように一生付き合って行かないといけない病気なので、その後常に再発しないように歯ぐきの状態が安定しているかどうかを歯科医院でチェックする必要があります。
患者さんご自身のブラッシングなどのセルフケアはプロフェッショナルケアである歯周炎治療の長期的成功を達成する上で必要不可欠ですし、歯ぐきの状態を長期的に安定した状態に持っていくためには歯科医院での予防メインテナンスが
必須です。
この患者さんによるセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアのバランスが崩れてしまうと病気が再度進行していく可能性があります。また、個人によって歯並びや細菌に対する免疫反応が異なっていますので、その人のリスクに合った予防メインテナンスを当院では行っております。
まずは、歯周病になりやすいかどうかを検査をしてご自身の病気に向き合うための長期的なサポートをさせていただければと思います。
歯周病の治療方法
軽度歯周病の治療方法
治療の目的は患者さんがご自身で適切に清掃でき長期的に健康を維持できる状態を整える事ですので、
患者さん自身が適切にプラークを除去できるかどうかをまず確認します。
それができているようであれば歯ブラシや清掃器具が届くように歯の周りの炎症を除去していきます。
できないようであれば歯周炎が治療後再発する可能性があります。歯ぐきの炎症を除去するには麻酔をして歯ぐきの下についている歯石や細菌性プラークを除去していきます。
軽度の歯周病の患者さんは条件にもよりますがほとんどこの治療で炎症を除去できます。炎症が減少し健康な歯ぐきになれば、その状態を維持するためのメインテナンスへ移行します。
このように歯周治療にはアクティブな治療の終わりはありますが、健康な状態を長期的に維持するためには継続的に歯周炎の予防メインテナンスを続ける必要があります。
中等度歯周病の治療方法
歯周病治療の目的は患者さんがご自身で適切に清掃でき長期的に健康を維持できる状態を整える事ですので、患者さん自身が適切にプラークを除去できるかどうかをまず確認します。それができているようであれば歯ブラシや清掃器具が届くように歯の周りの炎症を除去していきます。できないようであれば歯周炎が治療後再発する可能性があります。
歯ぐきの炎症を除去するには麻酔をして歯ぐきの下についている歯石や細菌性プラークを除去していきます。中程度の歯周病の患者さんも軽度と同様に条件にもよりますがほとんどこの治療で炎症を除去できます。
しかしながら、初期の歯周治療でも炎症が残るような場合は外科治療を行なっていくこととなります。
軽度の治療と同様に、炎症が減少し健康な歯ぐきになれば、その状態を維持するためのメインテナンスへ移行します。このように歯周治療にはアクティブな治療の終わりはありますが、健康な状態を長期的に維持するためには継続的に歯周炎の予防メインテナンスを続ける必要があります。
重度度歯周病の治療方法
基本的な歯周炎治療の流れは、他の歯周炎治療と同様ですが、歯ぐきの炎症を除去するためのSRPなどの初期治療に加えて外科治療が必要になることが多くの場合があります。
さらに、疾患の進行度によっては抜歯が必要になってくるケースもあります。外科治療には歯周組織再生療法や切除療法などが含まれます。他の歯周炎治療と同様に、炎症がなくなり歯ぐきの組織が安定すれば、再発を防ぐための予防メインテナンスを行なっていきます。
根分岐部病変
根分岐部病変について
根分岐部病変とは、奥歯の歯の間の根が分岐している部位に特異的に歯周炎が進行した病態のことを言います。これは、様々な文献によって長期的な歯の生存を決定づける重要なファクターであることが報告されています。
つまり、分岐部病変がある程度進行してしまうと将来的に歯を失う可能性があるのです。
一方で、根分岐部病変の治療の難易度は高くアメリカ歯周病学会の治療ガイドラインでは根分岐部病変の治療もアメリカ歯周病専門医による治療が推奨されています。
根分岐部病変の進行度
根分岐部病変の進行度を評価するために用いられる方法はいくつか報告されています。当院で行なっている評価方法は主に重症度によって3段階で根分岐部病変の進行度を分析しています。
進行が軽度の場合は治療の難易度も高くなく予知性も良いですが、中程度から重度に進行してしまうと治療の難易度は高くなってしまいます。
根分岐部病変治療の流れ
歯周組織検査にとX線写真診査によって根分岐部病変の診断をした後に、初期治療を行い炎症をできる限り減少させます。その後、外科治療が必要であれば根分岐部病変の進行状態に合った外科治療を選択します。
外科治療には、切除療法、歯周組織再生療法などが含まれます。その後、根分岐部病変がどの程度改善しているのかを再評価し、歯ぐきの状態が安定していれば再発が起きないように予防メインテナンスを行っていきます。
下がった歯茎
歯ぐきが下がってしまい、冷たいものがしみる、歯磨きが難しい、見た目が悪くなってしまうなどの症状はありませんか?
歯ぐきが下がった状態を改善するには、根面被覆という方法があります。これは、歯ぐきの移植を行なったり、下がってしまった歯ぐきの位置を改善することで露出している歯の根面をカバーすることを目的としています。
歯ぐきが下がっている部位の歯の形や歯ぐきの形・厚さなど様々な条件によって治療方法や治療テクニックの選択を決定
していきます。
また、矯正治療の後に歯ぐきが下がってしまったという患者さんも多く来院されています。矯正治療後に歯ぐきが下がってしまうことが事前に予測できている場合は、矯正治療前に根面被覆を行うことで将来的な歯ぐきの退縮が予防できることもあります。もしも歯ぐきが下がって心配などありましたらご相談下さい。